トリアージバイアスとは、患者さんをトリアージした場所によって、判断に影響が出ることを指します。

 

例えば、

・インフルエンザの季節、軽傷の方ばかり来るクリニックでいつものように発熱、頭痛という方を見た時と

・重症患者さんばかり来る救急外来で、発熱、頭痛という方を見た時と

同じ状態であっても、状況が違えば鑑別診断が変わってくるというバイアスのことです。ただしこの例の場合は、事前確率自体が異なってくるというのもポイントですが

 

こんな場所には重症な人はいないだろう、というような状況は注意が必要です。
・トリアージ後に軽症者を経過観察させていた場所に居るくも膜下出血
・健康診断場所に居るような無症候性の心筋梗塞の異常心電図

 

これらを、確かに見落としやすい、というような印象が、トリアージバイアスとなります。思いこまないことはとても重要です。