世界最初の疫学調査は、19世紀のロンドンでのコレラに対して行われたと
言われています。

 

コレラはイギリスで大流行し、なんと十数万人もの死亡者を出しました。
沢山の医学者が知恵を出し合い治療方法・予防方法を考えましたが
それらが生かされることはなく、何度も大流行を起こしました。

 

その中で、ジョン・スノウという外科医(のちに疫学の父と呼ばれます)
が行ったことは、以下の3つです

・コレラでなくなった人の家で、話や状況・環境調査を行う
・似たような状況でかかった人とかかっていない人の違いを比べる
・違いについて、大規模な人数のデータを収集し、検討する

この調査により、一つの仮説が立ち上がりました。
利用している水道会社によって、コレラとなった人数が大きく異なっていました。

コレラ統計

水道会社①と水道会社②を比較し、①の方が明らかに多いと言える状態であり
そこに何らかの理由があると考え、当面は水道会社①の利用を中止するとすることで
流行の拡散を防ぐことが出来ました。
(残念ながら、疫学の有用性が評価されず、一部の地域にとどまりましたが)

 

水道会社①は、川の下流を水源とし
水道会社②は、川の上流を水源としていました。

のちの研究で、コレラは水中に生息し、コレラ患者の排せつ物に含まれ、コレラ菌の存在する水を飲むことで発症することがわかり、疫学の差が生じた理由づけもできたのですが
これらが証明される前にも、疫学的な差というのは、飲む水を変えれば感染を減らすことが出来るという事実に変わりはありません。

 

喫煙における肺がんや心疾患の発症リスクも
喫煙における害の機序が明確になるよりも前に、悪化リスクであるため禁煙をすべきということを理由づけし、取り組むことができます。

 

これらのように、疫学調査は重要視され、EBMという形で現在につながっていきます。