ASTは、細胞の中にある酵素の一種類で、
ケト基とアミノ基の移転反応という働きをしている
酵素です。

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ですが、

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そんなことは、必ずしも覚える必要はありません。

まずはじめに大切なことは、採血でのAST上昇は、
この酵素(AST)があるような「どこかの臓器が壊れはじめている」所見である
ということです。

なので、大事なことは
ASTという酵素が、どこにあるのか、ということが重要になります。

分布は、色々な臓器にわたっています。image

比率を見てみましょう。

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このように、ASTは、色々な臓器に存在しています。
ALTは肝臓にメインで存在しています。

ASTの上がっている時には、心臓・筋肉・肝臓など色々な臓器で上がるので
区別が難しい場合もありますが、ALTと合わせて評価します。

例えば、
ASTだけ高くて、ALTは高くなければ
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このように、ASTが多くてALTが少ない
筋肉・心筋などの障害が起きていることが予想されます。

例えば、
ASTもALTも高い場合には
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AST/ALTが両方ある、肝臓に障害が起きていることが予想されます。

このように組み合わせて総合的に判断していきます。

ASTは、細胞の中にある酵素で、
採血検査でASTが上がっていたら、どこかの臓器の障害があると考えます。
他の採血項目を見て、臓器の推定をしていきます。