タケプロンやネキシウムやオメプラゾールなどは、プロトンポンプインヒビターという種類の胃酸を抑える薬です。胃酸を抑え、胃潰瘍や逆流性食道炎や、NSAIDsなどの痛み止めによる消化管潰瘍(胃や小腸の潰瘍)を防いでくれます。
この薬が出てしばらくは、副作用がほとんどなく、安全に効果的に胃酸を抑えてくれる薬としてとても人気になりました。今でもたくさんの患者さんに処方されています。
確かに副作用はとても少なく、潰瘍の予防効果はとても高いので良い薬です。以前は潰瘍のリスクが高くない人(飲まなくても良いとされている人)にも処方されていた、という現実があり、それは最近でも同じように沢山処方されています。しかし最近ではこの薬を使っている何人かの方に、注意すべき副作用があることが報告されています。
そのため、必要な時(消化管潰瘍のリスクがあるときは飲んだ方が良いですが)、必要ない時を見極めて使っていく必要があります。
タケプロンやネキシウムやオメプラゾールなどの副作用とは
これらの薬は、長期で使用すると、骨粗しょう症が増える(骨密度が減る)ということが最近分かってきています。
これは自覚症状もなく、見落とされがちな副作用の1つです。特に閉経前の人や男性では骨密度を調べることが多くないので、検診を受ける以外には折れてみないと分からないという怖さがあります。
例えば、腎臓の病気や自己免疫疾患などでステロイドを使用している人は、胃潰瘍予防としてタケプロンやネキシウムなどの胃薬を飲んでいることがあります。ただ、痛み止めやアスピリンなどを飲んでいない場合、ステロイド単独での消化管潰瘍のリスクは普通の人の1.1倍くらいにしかならないと言われています。では、そういう人が漫然とタケプロンやネキシウムなどの胃薬が必要なのか。
なので、長期間続けるかどうか、というのはもう一度考えてみる必要があります。必要があれば、飲んだ方が相対的なリスクは下がるので、必要です。ですが必要ないならもう一度考える必要があります。