あせもとは・・・

あせもとは、正式名称を、汗疹(かんしん)といいます。

 

体の皮膚には汗を出すための汗腺(正式な名前はエクリン汗腺といいます)という器官があるのですが、この器官に何らかの原因で障害が起こると、体温調節が出来なくなったり、汗腺がつまってしまうことで湿疹がでたりします。
この湿疹のことを通称“あせも”といいます。
あせもが出来ると、外観的にも美容的にも問題がありますし、実際にかゆみを生じたりするので、なんらかの対応が必要になります。
あせも、というと子供がかかるイメージが多いのですが大人でもなります。

また、野外活動をする方に多いと言われています。

 

 

あせもの原因と対策

あせもの原因は、持続的な発汗によるものです。
激しい活動を良くする時、風邪などで発熱した時がよくあせもが出来ます。
また、湿布や包帯やギプスで覆われている部分にもよくあせもができます。
通常、汗が出ると自然に乾燥したり、または自分でタオルやハンカチなどを使って汗を拭くことが多いと思うのですが、汗をかきつづけると、上のような状況ではエクリン汗腺という汗を出すための器官が詰まってしまうのです。
ですので、あせもが出来やすい方は、こまめに汗を拭いたり、シャワーで汗を流して、清潔にしておくのがよいでしょう。

 

 

あせもの原因になる食べ物、どんなものを食べると良いの?

あせもの原因となる食べ物は一般的にはニッケル、クロム、コバルトなどの金属類が多く含まれる食物と言われています。
これらは、そば、ほうれん草、かぼちゃやレタス、じゃがいも、たまねぎ、キャベツや貝類に含まれます。
しかし、これらの食物は日常よく食べるもので、すべてを制限するわけにはいきません。
しかも、ニッケルやクロム、コバルトなどの成分は微量元素とよばれ、人間が体内の恒常性を維持するのにある程度ひつような要素ですので、あまり過剰に摂取しないようにすれば、そこまで問題になることはありません。

 

あせもには、皮膚を新しく生まれ変わらせる成分が豊富に含まれる食物をとると良いです。

皮膚は常に新陳代謝を繰り返して新しい皮膚に生まれ変わっています。

その際に必要な成分としてはタンパク質、ビタミンA、亜鉛などがあります。

 

ですので、タンパク質豊富な鶏肉や大豆、ビタミンAの含まれた、にんじんや海苔、亜鉛の含まれた卵、チーズ、豚肉なども良いでしょう。

 

 

ストレスであせもが悪化する原因

ストレスが原因であせもが悪化することも医学的に考えられます。
人間には自立神経という、意識していなくても人間の正常なメカニズムをコントロールしてくれる神経があるのですが、ストレスを強く感じると、この正常なメカニズムに障害が出ます。
具体的には、体温調節のために汗を出すための汗腺が正常に働かなくなって、あせもが悪化してしまうこともあります。
規則正しく睡眠をとり、少しストレスがたまっているなと感じたら休息をとりましょう。

 

 

なぜあせもは頚、脇、胸元、太ももの部位にできやすいの?

あせもは、頚、脇、胸元、太ももに出来やすくなっています。
これらの部分は、もともと汗腺が多く汗をかきやすい部分であることにくわえて、衣服で覆われている部分なので汗が自然に乾燥しにくくなっているからです。
そのため、汗腺がよりつまりやすくなり、あせもが出来やすくなっています。

 

 

部位別あせもの原因と対策

胸元→汗腺が多く分布されあせもができやすい部位です。こまめに汗を拭くこと、吸水性のよい衣服をきることで対策します。

 

おでこ→汗腺も多く、髪型によっては前髪で通気性が悪くなる部分です。こまめに汗をふき、すっきりとした髪型にするのもよいでしょう。

 

おしり→下着で密閉される部位なのでどうしても汗をかきやすく不潔になります。あせもの症状が強い場合はこまめに下着を取り替えましょう。

 

首→ここも汗腺が多い部分です。冷たい濡れたタオルで細かく汗をふくと効果的です。

 

背中→衣服で通気性がたもたれないため、あせもが出来やすくなります。汗をかいたら、こまめに着替えましょう。寝る時には通気性の良いパジャマを着るとよいです。

 

足や手→あせもの好発部位ではありませんが、症状が出ることもあります。ハンカチや小さなタオルで汗を拭きましょう。

 

 

どうしてあせもは広がってしまうの?

あせも自体は、それほど広がるわけではなく、汗腺がつまるとそれぞれの部位に発症します。

 

しかし、なぜ広がるかというと、かゆみであちこちをかいてしまい傷が刺激されたり、指先から細菌が皮膚全体に広がってしまいます。
そうすると、とびひ(正式には伝染性膿痂疹、でんせんせいのうかしん、といいます)といって皮膚に細菌感染が広がり湿疹を起こすのです。
ですので、あせもでかゆみが出ても、いたずらにかきむしってはいけません。

 

あせもの原因は、季節で変わりがあるの?

上で説明したように、基本的にはあせもは暑い季節が多いです。
特に、春先から夏に移行するときは、皮膚が汗を沢山出すための準備が整う時期ですので、急激に気温が高くなることで、あせもが出来やすくなっています。

 

 

大人と子供で出来やすさに違いはあるの?

あせもは大人にもできますが、子供の方がおおくみられます。
その理由としては、エクリン汗腺はほぼ全身に分布しており, 成長しても数に変わりはないものの、約200万~500万個とされるエクリン汗腺のすべてが出生までに形成されるので、乳児期の体表面積におけるエクリン汗腺の密度は、成人の7倍以上といわれています。
また、汗の量も幼児期の早くから顕著に増加し, 12歳ごろに増加のピークを迎えます。
こういった理由で、子供の方があせもができやすくなっています。

 

 

あせもの予防方法はあるの?

あせもは高温湿潤した環境であったり、汗腺が塞がってしまうような状況でおこりますので、これらに対してそれぞれ対策をとっていきます。

 

 

あせを早めに拭こう!

なんといってもあせかいたら、早く拭くことが大切です。
あせもの原因はエクリン汗腺の閉塞ですので、汗腺がふさがらないように、こまめに汗をふくことで予防できます。

 

 

お風呂は何回くらい入ると良いの?

お風呂は通常通り1日1回でかまいません。
ただし、夏の暑い時期や、あせもの症状がひどくなっている時は、シャワーで良いので1日2〜3回、こまめに汗を流すようにするとよいでしょう。

 

 

予防のスプレーやローションやワセリンはどうやって使い分けると良い?

あせも予防のスプレーやワセリンなどは、基本的には汗の吸収を助け、エクリン汗腺がつまるのを予防するために使用します。
入浴、シャワーで体を清潔にし、こまめに汗を拭くことに加えて、外出時や、寝る前には、こられを使用するのも効果的です。

 

 

あせものかゆみを予防する方法は?

高温多湿の環境を避け、入浴により清潔を保つことで、汗腺をひらくようにすれば、軽度のあせもであれば症状をやわらげることができます。
室内にいるのであれば通気性を良くして、多汗にならないように気をつけましょう。
また、衣服は通気性の良いもの、吸水性のよい汗を吸う衣服を着用しましょう。
冷やしたタオルで汗をこまめにふくのも効果的です。
症状がひどい場合は皮膚科を受診し、医師にステロイド性軟膏を処方してもらいましょう。