おたふく風邪とは、医学的な正式名称を流行性耳下腺炎といいます。
ムンプスウイルスという名前のウイルスが感染することで発症します。

 

感染経路は飛沫感染(せきやくしゃみなどによって飛び散る飛沫に含まれる病原体が、口や鼻などの粘膜に直接触れて感染すること。通常は1~2メートル以内の至近距離で感染します)や、直接接触により感染します。

 

幼児期に好発し、30〜40%は不顕正感染(ウイルスに感染しても症状が発症せずに、自然に治ってしまうこと)で、潜伏期は2〜3週間ほどになります。
小児の場合は1/3は不顕正感染ですが、成人の場合はウイルス感染すればほとんど発症します。

 

 

症状は発熱と耳下腺炎です。耳下腺炎は両側性で痛みがあります。

 

子供さんが、おたふく風邪にかかった場合は、耳下腺が消失するまでは登校禁止になります。その理由は、耳下腺腫脹数日前より、腫脹が消失するまで感染源となるためです。

 

おたふく風邪の治療は基本的には対症療法で、水分、栄養取り、睡眠をしっかりとることです。

 

おたふく風邪は、おおむね予後良好なのですが、以下のような様々な合併症があり注意が必要です。

 

・無菌性髄膜炎
ウイルス感染により髄膜炎を発症します。合併症の中で最も多く、2〜3%にみられます。
・精巣炎
成人男子に多い合併症です。
・ 卵巣炎
成人女子に多い合併症です。
・膵炎
合併症の中でも重症で、集中治療が必要です。きちんと治療しなければ、生命に危険を及ぼす合併症です。
・難聴
耳下腺炎が悪化し、長期化すると難聴のリスクもあります。

 

 

おたふく風邪の検査方法と費用は?

おたふく風邪で病院を受診した際には、医師はもちろん病気の経過、発症の時期や症状からある程度は推測しますが、より正確な診断のために血液検査やウイルス検査を行います。

 

おたふく風邪の検査には採血検査でペア血清における抗体値の上昇をみる方法、咽頭部のぬぐい液からウイルスの分離培養を行う方法があります。

 

・ 抗体検査とワクチンの効果について
抗体検査は今現在感染しているのか、過去に感染したことがあるのかを知るために行います。
検査には直近の感染をみるペア血清の上昇やムンプスIgMの項目、過去の感染を示唆するムンプスIgGがあります。

 

 

おたふく風邪で病院を受診すると、今現在、おたふく風邪にかかっているかどうかが重要ですので、前述のペア血清の抗体値の上昇を見たり、咽頭部のぬぐい液からウイルスの分離培養で直接ウイルス感染を証明することで現在の感染がわかります。

 

ペア血清の抗体検査であれば、精度はほぼ100%で、結果は2〜3日でわかる病院が多いです。
抗体検査の費用は概ね約4000円(保険で3割負担で1200円ほど)ですが、これは個々の病院により様々です。

 

 

ワクチンは1歳から接種でき、1回目の数年後に2回目を受けるのがしっかりと免疫をつけるために必要です。
接種後10年以上免疫力は持続し、99%以上の確率で感染を防ぎます。
ただし、100%ではなく、終世免疫ではないので、過去にワクチン接種をうけた場合でも、症状が疑われる場合は抗体の効果がきれている可能性がありますので、病院を受診しましょう。

 

 

おたふく風邪は何科にかかるべき?子供の場合と大人の場合

おたふく風邪にかかったのでは?と思ったら何科のお医者さんにかかるべきなのでしょうか?
小児の場合は幼児に好発する疾患であり小児科で問題ありません。
大人の場合は、一般内科、あるいは耳鼻科の医師が専門になりますので、それらの科を受診しましょう。