健康診断の結果であったり
病気かな?と思う症状があった時に病院を受診するとします。

 

その時に、まず医療者として考える視点として、
「危険な病気がないかどうか」
「治療可能で」「放置すると悪くなる病気」が隠れていないか
というのを考えます。

 

えば、便から血が出る、という症状で来た時には、
食べ物の通り道(口~食道~胃~腸)の中で
どこかから血が出ていないか、と考えます。

 

血が出る病気の中で、放置していて悪化する病気としては、
・放置すると血が止まらず、血液が無くなってしまう
・癌など、放置すると進行してしまう
という病気は、見過ごしたくないものです。

 

考え方としては、便から血が出るような場合は
・放置すると血が止まらず、血液が無くなってしまう
ものは、Critical(緊急性がある病気)

 

・癌などの、放置すると進行してしまう
ものは、Curable(治療介入が可能な病気)

 

という風に分類します。

 

 

実際には、病気としては
赤い食べ物を食べて、便が赤いだけ とか
痔で自然に良くなるようなものなどのの場合も多いですが

放置していても治るものに関しては、極端なことを言ってしまうと
見落としていても、後で自然と治ることも多いです。

 

・・・しかしその中で、せっかく体や健診でサインがでているのに
見落としてしまうのは、避けたいところです。

 

よく、「病気がわかるのが怖い」という人が居ますが
それは、治療可能な病気を見逃したりして、治療可能なタイミングを逸してしまうことです。

 

「怖い病気の可能性は少ないと思います」
そう判断するために、まずは怖い病気について考えることが多いですし
患者さんの困っている点や、検査の異常を見た時に
「この病気は急に悪くなってしまうかもしれないな」
「この病期を見落とさないようにしよう」

 

というように考えます。

 

 

「何か気になる症状・健診結果や検査異常」があるときは

気になる症状があっても、放置したら自然に良くなることも多いでしょう。
しかし、それはギャンブル(ロシアンルーレット)のようなものです。

 

10回に1回、弾の出る銃があります。
9回は、放置しても問題ないでしょう。
1回は、弾が出てしまうかもしれません。

 

10%が命に係わる場合、放置するのは正解でしょうか?
中身を確認して弾を抜いたり空に撃ったりできるのであれば
それをした方が安全だと思っています。

 

病気があるのかないのかを疑った時には
病気が「あった場合」のリスクと、それを治療できるのかどうかを考えて
病気でない可能性があるから放置するのではなく
リスクを減らすための行動を起こすことをオススメしたい・・・と考えています。