主訴:のどが痛いという症状で来院したとき、
どんな病気の可能性があって、どんなことを聞けば病気が診断できるでしょうか。

 

病気へのアプローチ方法はいくつかありますが、
喉が痛いという症状の場合には、「3つのCから考える」という方法が適しています。

 

つまり、今回のアプローチ方法としては、
・Commonな病気(頻度の高い、よくみる病気)
・Criticalな病気(命に関わる、危険な病気)
・Curableな病気(治療をすることで、今後のことが変わる病気)
という分類をすることです。
急性咽頭炎(いわゆる喉の風邪)が一番多くても、「どうせ咽頭炎だろう」と高を括っていると、まれにいる命に係わる病気を見落としてしまうことがあるから です。

 

だからこそ大事な順序としては
①まず危険な命にかかわる病気でないことを確認する
②原因となる病気を推測する
③治療方針で今後のことが変わる病気をしっかり確認する(具体的には溶連菌への抗菌剤)

ということで、①まずはCriticalな病気の除外から始めることが重要です。

喉が痛い時に考える、危険な病気

喉が痛い時
縦軸が、病気の起こりやすさ、横軸が命に係わる重篤さです。

喉が痛い時には、まず危険な病気の可能性について考える必要があります。

・急性喉頭蓋炎
・扁桃周囲膿瘍
・咽頭後壁膿瘍
・心筋梗塞・大動脈解離

上記のように、見逃すと非常に危険な病気を見落とさないようにしなければいけません。

□唾をのみこめないほどの痛み
□糖尿病や高血圧や喫煙などの心血管系リスク
□易感染となるような免疫不全
□前頸部を押すと痛む
□声がかすれるなどの嗄声症状
□ぐぐもったような声
□呼吸の苦しさ
□開口障害

これらのような症状があるときには特に注意して、上記の疾患の有無を確認します。
それらの病気の可能性が低そうであれば、はじめて次になぜ喉が痛いのか考えます。