動悸という症状を、「医学的に」しっかり分類する

 

まずは、これをしっかりと出来るようにしましょう。

 

動悸とは
・通常自覚しないような心臓の不快な拍動のこと
・患者さんによってその表現は異なります
・徐脈でも、期外収縮でも動悸として感じることもあります

 

自覚症状がどうであったのか、というので考える病気が大きく異なります。
ですので、まず聞くことは動悸の性状です。
・脈が速いのか
・脈が抜ける感覚なのか
・脈のリズムがバラバラで、乱れているのか
・脈を感じる症状が強く、脈打つ感覚が分かるのか
それぞれで病気が異なってきます。

 

それを聞くために一番良い方法は、
『指でそれぞれのリズムを出してみる』という方法です。

 

指でリズムを取ってみて
トトトトト
トットット
トットットッ ト

 

一瞬ドキッとする、脈が飛ぶ
⇒期外収縮?
開始終了がはっきりしている 脈が早いような感覚
⇒PSVT、AFL、VT?
突如始まる規則正しい徐脈
⇒二段脈、房室ブロック?
脈が聞こえるような感覚だが、リズムは早くも遅くもない
⇒他に症状がなければ病的でないことも
リズムは一定だが、よく聞くと呼吸苦や胸痛
⇒動悸ではなく、それらの主訴にカテゴライズし直す

というように、分類します。

 

来院時に不整脈があれば、その不整脈に対する対応をします。
しかし来院時に動悸が収まっている場合も多いです。

 

その際には、RED FLAG SIGN(危険な徴候)がないかをcheckします。

い    息切れ
し    ショック
き    胸痛
いしき  意識障害
心    心筋梗塞、心不全
配(肺)  肺水腫
(研修医当直御法度より)

こういった症状がある場合には、致死的な疾患に特に注意しましょう。

 

STPE1は、ここまで問診することです。
まずは、動悸の性状をしっかりと医学的に分類しましょう。