体がだるという症状でみえた患者さんに対しての検査のページです。

体のだるさに関わるその他の項目は、下記を参照ください。
全身倦怠感の鑑別
全身倦怠感へのアプローチ

まずは、全身倦怠感の症状以外の随伴症状に注目し、疑う病気の検査を行う
というのが初めのステップになります。

体がだるい

では、実際にどうするかというと、

①疑われる病気に対し、検査を行う
②検査してみないとわからない病気もあるため、それらの検査を行う

という流れになります。

たとえば高カルシウム血症や貧血などは
調べてみないとわからない場合もありますので、それらを調べます。

 

全身倦怠感の検査

①血液検査
血糖値、カルシウムは忘れずにチェックします。
貧血、肝機能、腎疾患、電解質異常、甲状腺ホルモンなどをみます。
・具体的には、
□血算で赤血球数・ヘモグロビン値を見て貧血を確認します。
□肝機能(AST/ALT)、ALP、T-bilなどで肝機能を見ます。
(特に発熱+倦怠感で急性肝炎は見落としやすい疾患の一つです)
□腎機能でBUN/CREを見ます。
□Caを測定するため、アルブミン値も忘れずに測定しましょう。
(補正Ca=検査でのCa値+(4-Alb))
□その他電解質をもし測定した場合、解釈として低Na、高Kなどがあれば副腎不全の合併を一度検討しましょう。

②尿検査
尿定性検査は、尿蛋白・尿潜血(腎疾患)、尿糖(糖尿病)の手がかりとなります。
尿定性
□尿蛋白で腎疾患の有無、タンパク尿+浮腫があればネフローゼなどの合併を検索
□尿潜血が陽性の場合、慢性の腎炎だけではあまり倦怠感を起こしません。
若い人ではSLEの合併や、高齢者では血管炎の合併などを見逃さないようにしましょう。潜血が陽性の場合は、尿沈渣検査が必要になります。
□尿糖は、血糖>180以上の際に出ると言われています。

 

③胸部レントゲン
心肺疾患が疑わしい場合に行います。

 

④心電図
心疾患が疑わしい場合に行います。
(急性心筋梗塞の4-17%が倦怠感のみの主訴であったという報告もあります)
救急などを受診した際に、急激に出てきた倦怠感で注意が必要な状態が、倦怠感以外に症状に乏しい心筋梗塞患者さんです。
糖尿病・高齢・女性は胸痛症状が出にくい患者さんたちなので、注意が必要です。

 

それらを行い、疑われる疾患につき精査を行いましょう。

また、悪性腫瘍の検査などをすべての患者さんで行うことは困難ですので
年齢相応のスクリーニング検査などを、検診や人間ドックで勧めておくことを忘れないようにしましょう。